一人暮らしで死亡した場合の片付け費用の相場|賃貸・持ち家で解説
一人暮らしの方が亡くなった場合、遺品整理や不用品処分だけでなく、状況によっては特殊清掃や原状回復まで必要になり、片付け費用が高額になることがあります。また、賃貸か持ち家か、相続人や保証人がいるかによって、費用を負担する人も異なります。
当記事では、一人暮らしで死亡した場合の片付け費用について、賃貸・持ち家それぞれの相場や特殊清掃が必要な場合の費用、遺品整理・修繕などの内訳まで詳しく解説します。
【この記事はこんな方におすすめです】
- 一人暮らしの家族が亡くなった後の片付け費用を知りたい方
- 賃貸・持ち家それぞれの片付け費用の相場を確認したい方
- 片付け費用を誰が負担するのか分からず困っている方
一人暮らしで死亡した場合の片付け費用は誰が支払う?

一人暮らしの方が亡くなった後の片付け費用は、住居の形態や相続人・保証人の有無によって負担する人が変わります。遺品整理だけでなく、孤独死で発見が遅れた場合は特殊清掃や原状回復が必要になり、費用が大きくなることもあります。まず、誰が相続するかと契約関係を確認する必要があります。
■賃貸物件の場合
原則として、故人の賃貸借契約上の権利義務を引き継いだ相続人が、遺品の撤去や原状回復などに対応します。未払い家賃や原状回復費用は、契約内容に応じて連帯保証人へ請求される場合もあります。相続放棄をしても、自身が連帯保証人なら保証契約上の責任は別に残ります。
■持ち家の場合
相続人が遺品整理や清掃を進め、費用は故人の財産や相続人の負担で支払うのが一般的です。相続人が複数いる場合は、遺産分割や費用負担について相続人同士で整理する必要があります。
■身寄りがない・相続人不明の場合
戸籍を調べても相続人がいない、または全員が相続放棄した場合は、家庭裁判所が選任する相続財産清算人が遺産を管理・清算し、その財産から片付け費用を支払う場合があります。賃貸では連帯保証人への請求や、大家・管理会社がいったん費用を負担するケースもあります。
一人暮らしで死亡した場合の片付け費用
一人暮らしで死亡した場合の片付け費用は、住居の種類や清掃内容によって大きく異なります。ここでは、賃貸物件・持ち家・特殊清掃が必要な場合に分けて、費用相場を解説します。
賃貸物件の費用相場
賃貸物件でも、遺品整理そのものの料金は「賃貸だから高い」と決まるわけではなく、主に間取りや家財の量、作業人数で変わります。目安は次の通りです。
| 間取り | 費用相場 |
|---|---|
| 1R・1K | 約3万~8万円 |
| 1DK | 約5万~12万円 |
| 1LDK | 約7万~20万円 |
| 2DK | 約9万~25万円 |
一人暮らしでは1R・1Kなど比較的小さな間取りが多く、遺品が少なければ費用を抑えやすい傾向があります。ただし、賃貸では退去に向けた原状回復が必要になる場合があり、壁紙や床の張り替え、消臭などが加わると総額は上がります。
処分する家具・家電が多い場合や、搬出に手間がかかる物件では追加費用が発生することも十分あります。孤独死で体液や臭いが残っている場合は、通常の遺品整理とは別に特殊清掃費も必要です。
持ち家の費用相場
持ち家の場合も、片付け費用は所有形態ではなく、家の広さや残された家財の量によって決まるのが一般的です。間取り別の遺品整理費用は次が目安です。
| 間取り | 費用相場 |
|---|---|
| 1LDK | 約7万~20万円 |
| 2DK | 約9万~25万円 |
| 2LDK | 約12万~30万円 |
| 3LDK | 約17万~50万円 |
| 4LDK | 約22万~60万円 |
一戸建てでは部屋数が多く、家具・家電や物置の荷物まで整理するケースもあるため、ワンルームより費用が高くなる傾向があります。家財の量が多ければ、仕分けや搬出に必要な作業人数と時間も増え、その分だけ片付け料金も上がりやすくなります。賃貸のように退去時の原状回復を前提としない場合でも、今後売却したり家族が利用したりするなら、ハウスクリーニングや修繕が別途必要になることがあります。
特殊清掃が必要な場合の費用相場
遺体の発見までに時間がかかり、体液や臭いが床・壁などに残った場合は、遺品整理に加えて特殊清掃が必要です。費用は汚染の程度や作業範囲によって大きく変わりますが、目安は次の通りです。
| 内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 特殊清掃のみ | 約10万~30万円 |
| 遺品整理・特殊清掃を含む片付け | 約30万~80万円 |
| 原状回復・大規模な修繕まで必要な場合 | 約50万~100万円以上 |
特殊清掃では、体液などの汚染物の除去、除菌・消毒、消臭などを行います。さらに遺品整理や床・壁の張り替えまで必要になると、費用は数十万円単位で増えることがあります。特に発見までの期間が長く、臭いや汚染が床下や壁内部まで広がっている場合は、総額が100万円を超えることもあります。部屋の広さだけでなく、汚染範囲と必要な作業内容によって費用が大きく変わる点を押さえておきましょう。
一人暮らしで死亡した場合の費用の内訳

一人暮らしで死亡した場合の片付けには、遺品整理だけでなく、不用品処分や特殊清掃、修繕など複数の費用がかかります。ここでは、主な費用の内訳を項目別に解説します。
遺品の仕分け・梱包費
遺品の仕分け・梱包費は、室内に残された品を必要な物と不用品に分け、段ボールなどへ梱包して搬出できる状態にするための費用です。現金や通帳、貴金属、重要書類などを誤って処分しないよう、1つずつ確認しながら作業します。
費用の目安は、仕分け・梱包・搬出を含む基本作業費として作業員1名あたり2万円~です。部屋が広い、家財が多いなどの理由で作業人数や時間が増えるほど費用も高くなります。孤独死の現場では防護服を着用する場合もあり、通常より慎重な作業が必要になることがあります。
不用品の処分費
不用品の処分費は、遺品整理で不要と判断した家具や衣類、日用品、家電などを処分するための費用です。処分する物の量や種類、自治体のルールなどによって金額が変わります。
テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど家電リサイクル法の対象品が含まれる場合は、別途リサイクル料金が必要です。対象家電をそれぞれ1台ずつ処分する場合、約1万~2万円が一つの目安です。大型家具や粗大ごみが多ければ、搬出や処分の手間も増え、費用はさらに高くなります。
特殊清掃・消臭費
特殊清掃・消臭費は、孤独死などで遺体の発見が遅れ、体液や血液、強い臭いが室内に残った場合に必要となる費用です。通常の清掃では除去しにくい汚染に対し、専用薬剤やオゾン脱臭機などを用いて清掃・除菌・消臭を行います。
目安は、汚物撤去が2万円~、床上清掃が3万円~、消臭剤・除菌剤の散布が1万円~、オゾン脱臭が1日3万円~です。臭いや体液が床下や壁まで染み込んでいると、作業範囲や日数が増えて費用も上がります。汚染が広い場合は、床材や壁紙などの撤去まで必要になることもあります。
原状回復・修繕費
原状回復・修繕費は、孤独死などで床や壁に体液や臭いが染み込み、通常の清掃だけでは元の状態に戻せない場合にかかる費用です。床材や壁紙の張り替え、下地の洗浄・防臭処理などが含まれます。
日本少額短期保険協会の「第10回 孤独死現状レポート」では、2015年4月~2025年3月の累積データにおける原状回復費用の平均損害額は49万4,344円です。なお、2024年度単年では61万507円となっています。汚染範囲や修繕内容によって金額は大きく変わるため、約49万円は目安として捉えましょう。
(出典:日本少額短期保険協会「第10回 孤独死現状レポート」)
人件費・車両費
人件費は、遺品の仕分けや梱包、搬出、清掃などを行う作業員にかかる費用です。一般的には作業員1人あたり1日1万5,000~2万円程度が目安で、作業人数や時間が増えるほど総額も高くなります。
車両費は、遺品や不用品を運び出すトラックの費用で、2トントラックなら2万円程度が一つの目安です。荷物が多く、複数台のトラックや大型車が必要になる場合は、その分費用も増えます。人件費と車両費は遺品の量や部屋の広さに左右されやすく、一人暮らしでも荷物が多ければ高額になることがあります。
まとめ
一人暮らしで死亡した場合の片付け費用は、住居の広さや家財の量、特殊清掃の有無などによって大きく変わります。通常の遺品整理であれば数万円から依頼できるケースもありますが、孤独死で発見が遅れ、特殊清掃や原状回復まで必要になると数十万円以上かかることもあります。
費用を負担する人も、賃貸・持ち家、相続人や連帯保証人の有無によって異なります。片付けが必要になった際は、遺品整理費だけを見るのではなく、不用品処分、特殊清掃、修繕、人件費・車両費まで含めて総額を確認することが大切です。状況によって必要な作業は異なるため、複数の費用項目を把握したうえで見積もりを確認しましょう。
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