遺品整理を自分で行う際の手順と必要なもの|注意点・業者の費用相場
遺品整理は、故人の暮らしや思い出に触れる大切な作業です。
しかし「どこから始めればよいのか分からない」「必要なものを誤って処分してしまわないか不安」と感じる方も少なくありません。特に自分で遺品整理を進める場合は、作業環境の整え方や仕分けの手順、注意点を理解しておくことが重要です。
当記事では、遺品整理を自分で行う際に必要な準備物から実際に行う際の手順、遺品整理を行う際の注意点などを解説します。
【この記事はこんな方におすすめです】
- 遺品整理を自分で行う方
- 初めて遺品整理に取り組む方
- 遺品整理を業者に依頼するための費用を抑えたい方
遺品整理を自分で行う際に必要なもの
遺品整理を自分で行う場合は、作業環境を整え、仕分けや搬出に必要なものをそろえておきましょう。まず服装は、汚れてもよい作業着に軍手・マスク・スリッパを準備し、ホコリや思わぬケガに備えます。仕分けには段ボールやガムテープ、マジックペンを使用し、「残すもの」「処分するもの」を分けやすくすると効率的です。
また、工具類(ドライバー・ペンチ・はさみなど)は家具や棚の解体に役立ちます。搬出には手押し台車が便利ですが、使用時間帯や騒音には配慮しましょう。ゴミ袋は必須で、自治体の分別ルールに合わせて多めに用意しておくと安心です。段取り良く準備することで、時間や労力を減らしつつ安全に整理を進められます。
遺品整理を自分で行うときの手順

遺品整理を行う際には、現金や通帳、権利証、身分証明書など大切なものが含まれている可能性があります。誤って処分してしまうと大きなトラブルにつながるため、最初に重要品を慎重に確認することが大切です。
以下では、遺品整理を自分で行うときの具体的な流れを紹介します。
遺品整理のスケジュールを決める
遺品整理を始める前に、まずは全体のスケジュールを立てることが大切です。片付けの範囲が広く、何から手を付ければよいか分からなくなると途中で作業が止まってしまうこともあります。「いつ」「どの部屋」「どの部分」を片付けるかを細かく計画することで、作業が明確になり進めやすくなります。
たとえば、「1日目はリビング」「2日目は寝室のタンス」といったように小さな単位で決めていくと、ゴールが見えやすく、整理を継続するモチベーションにもつながります。また、親族が関わる場合はそれぞれの予定を調整し、誰がどの工程を担当するのかも事前に決めておきましょう。家具の搬出や大量のゴミ出しなどは人手が必要になるため、人数を踏まえて見積もると安心です。焦らず無理のない日程を立てることが、最後までやり切るためのポイントです。
日用品から必要なものと不要なもので仕分ける
遺品整理を始める際には、まず故人が日常的に使っていた日用品から始めるのが効率的です。日用品の中には通帳や印鑑、保険証、契約書などの大切なものが紛れている可能性があるため、一つひとつ丁寧に確認しながら分類していきましょう。重要な書類はクリアファイルやチャック付き袋にまとめて保管すると紛失や破損を防げます。
また、写真や手紙などの思い出の品は「残す」と決めて専用の箱に分けておくと、後から後悔することを避けられます。一方で不要に思えるものも、後から必要になる場合があるため、まずは「一時保留」として仕分けしておくと安心です。段ボールには「残す」「捨てる」「保留」と明確にマジックで記入すると混乱しません。日用品から進めると整理が進んでいる実感を得やすく、作業のモチベーションも高まりやすくなります。
不要なものは処分・買取・譲渡で仕分ける
不要品の中には廃棄する以外にも活用できるものがあります。家電や家具はリサイクルショップで買取可能な場合があり、ブランド品や貴金属は専門業者に査定を依頼するとよいでしょう。再利用できるものは親族や知人に譲渡するのも一つの方法です。
一方で処分が必要なものは、自治体のルールに従って「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「粗大ゴミ」などに分別します。分別を怠ると回収してもらえないこともあるため、事前に確認しておきましょう。ゴミの量が多い場合は袋が破れることもあるので、多めに準備しておくとスムーズに作業が進みます。買取や譲渡、処分を組み合わせることで、遺品整理を効率よく進められるでしょう。
清掃する
遺品整理の仕分けや搬入が終わったら、最後に部屋の清掃を行います。長年使っていなかった家具を動かすと床にホコリやカビが残っている場合もあるため、掃除機や雑巾を使用して丁寧に拭き取りましょう。
特に水回りや押し入れなど湿気がこもりやすい場所は、カビや臭いが強いことが多いため、重点的に掃除することをおすすめします。台所の油汚れや浴室のカビは市販の洗剤を使うと落としやすくなります。清掃を通じて部屋をきれいに整えることで、故人の暮らしを振り返りながら心の整理にもつながります。遺品整理の最終ステップとして清掃をきちんと行えば、次の活用や明け渡しの準備にもスムーズに移行できるでしょう。
遺品整理を自分で行うときの注意点
遺品整理を自分で進める際には、作業効率だけでなく、法的手続きや家族間の合意にも配慮が必要です。特に、大切な書類や遺産に関わる品を誤って処分してしまうと、後々トラブルにつながる可能性もあるため注意しましょう。
以下では、遺品整理を行う際の注意点を3つ紹介します。
遺言書に沿って対応する
遺品整理を行う前に、まず遺言書の有無を確認することが重要です。遺言書には法的効力があり、内容に従って相続を進める必要があります。一般的に仏壇や金庫、書類棚などは遺言書が見つかりやすい場所です。封がされている遺言書は家庭裁判所での検認が必要となるため、勝手に開封してはいけません。
また、公証役場に保管されている公正証書遺言の場合は、証人や関係者を通じて存在が知らされるケースもあります。遺言書を確認しないまま整理を進めると、相続トラブルにつながる可能性があるため、慎重な対応が求められます。
親戚で話し合って整理を始める
遺品整理は一人で勝手に始めると、家族間のトラブルの原因になりかねません。不用品と思って処分したものが、ほかの親族にとっては大切な形見である場合も少なくないためです。遺品は相続財産でもあるため、その取り扱いは相続人全員の合意を前提に進める必要があります。話し合いの場を設け、誰がどの作業を担当するかを決めてから始めると、整理もスムーズに進みます。
親族が集まりやすい四十九日やお盆などをきっかけに行うと、参加しやすく合意形成もしやすいでしょう。家族の意見を尊重しながら進めることが円満な遺品整理につながります。
捨ててはいけないものを保管しておく
遺品整理では、通帳や印鑑、保険証、権利書などの重要書類や、現金・貴金属といった貴重品を誤って処分しないよう、最初に別途保管することが重要です。写真や手紙などの思い出の品も、処分してから後悔するケースが多いため、保管用の箱やファイルを準備しておきましょう。
また、作業中に新たな重要品が出てくることもあるため、仕分け後に残った荷物を安易に廃棄しないよう注意が必要です。闇雲に処分するのではなく、「残すもの」「一時保留」「処分するもの」と段階的に分けることがポイントです。重要品は防湿ケースやチャック付き袋で保護し、紛失や劣化を防ぎながら保管しておきましょう。
遺品整理は業者も頼りながら自分でするのがおすすめ!

遺品の量が多いと、自分だけで片付けるのは大変です。そのため、自分で仕分けや重要品の確認などできる部分を担当し、大型家具や大量の処分品は業者に任せる方法がおすすめです。こうすることで費用を抑えつつ効率的に整理が進められます。
遺品整理業者に依頼する場合、費用相場はワンルームで3万〜8万円程度、2DKで10万〜25万円程度、戸建てでは30万円以上になることもあります。作業内容や荷物の量によって変動するため、複数の業者から見積もりを取ると安心です。
まとめ
遺品整理を自分で行う際は、作業着・軍手・マスクなど安全に配慮した服装と、段ボールや工具、台車、ゴミ袋などを準備することが基本です。手順は、まずスケジュールを立て、日用品から必要・不要を仕分け、不要品は処分・買取・譲渡に分けて整理し、最後に清掃します。
注意点としては、遺言書の有無を確認し内容に沿って対応すること、親族で話し合って合意形成をしてから進めること、通帳や権利書など捨ててはいけないものを保管することが大切です。遺品の量が多い場合は、仕分けなど一部を自分で対応し、大型家具や大量の処分は業者に依頼すると効率的で、費用も抑えられます。
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